「時代は熟成酒へ」六調子酒造株式会社公式サイト

時代は熟成酒へ

はじめに

私には昔から大きな疑問がありました。
焼酎はどうしてこんなにもステータスが低いのだろう?ということです。
500年以上の歴史があるといわれながら、スコッチやコニャックに比べてその評価ははるかに下でした。和酒の中にあっても醸造酒である日本酒に比べて常に添え物的な扱いを受けてきました。「焼酎は庶民の酒、大衆酒だ。」というご意見もあるかもしれません。でも、寿司も生そばももともとは大衆向けのファストフードです。現在では、回転寿司や立ち食いそばがある一方で、格式のある寿司屋さん蕎麦屋さんがあります。

そして今、焼酎にもそういう時代が到来しようとしています。現在、ドラッグストアやディスカウントストアで売られている大きなペットボトルに入った格安のお酒、大衆酒のさらに下をゆく経済酒がある一方、優れた品質に裏打ちされた高価格の焼酎がある、まさに二極化の時代が始まろうとしています。
そういう中で私が数十年にわたって手がけてきたのが熟成酒という考え方です。
ヨーロッパを例にとりますと、蒸留酒にはジン、グラッパ、ウォトカなどの比較的価格の安いものと、ウイスキー、ブランディーのように価格の高いものがあります。その違いは何か、ズバリ「貯蔵熟成」にあります。安い蒸留酒は蒸留してすぐ製品化されます。それに引き替え高級酒はすべて長期間寝かせることによって熟成させるのです。
長期間寝かせることは資金面をはじめ大きなリスクを伴いますが、決定的な違いを生み出します。
まず、品質面です。長い年月をかけて貯蔵熟成させることで、香りは馥郁たる芳香へ、味は丸みを帯び、幅と膨らみのある旨味へと変化し、バランスのとれた世界を形成します。
次に、その希少性です。完成させるのに長い年月が必要であるため、量産が効きません。
ゆえに、貯蔵熟成酒は焼酎の脱大衆酒への最後の切り札と成り得るのです。
弊社は、貯蔵熟成技術の探求に約一世紀近い年月を費やしてきました。
そしてこの数十年で、貯蔵熟成酒を回転させてコンスタントに販売してゆく体制を構築しました。
しかしここまでは、従来のスコッチやコニャックに代表される高級蒸留酒の発想にすぎません。つまり、製品は単なる商品の域を出ないのです。
私はさらに一歩踏み込んで文化としての、芸術としての酒を追求したいと切望しています。
これはまさに、私にとって生涯を懸けた悲願です。
酒はその品質にふさわしいラベルやボトル、パッケージによって一つの完成された世界を形づくると考えます。


たとえば、メイン商品の「特吟六調子」は型絵染めの第一人者であり、柳宗悦が提唱した民芸運動の旗手にして人間国宝・芹沢銈介氏のデザインによるラベルとパッケージを用い、手仕事から練り上げられた美と土の香りがする大地の恵みの融合を、長期熟成酒「心月」は熊谷守一画伯の書を用いたラベルと19世紀のイギリスのデキャンタから型を起こした美しいフォルムのブルーボトルを使用し、青い月光に熊谷画伯の孤高の心情をオーバーラップさせています。
製品に使用しているボトルには他にもオリジナルが多々あります。
ここまで文化芸術にこだわりのある蒸留酒は、世界にも未だにないのではと考えております。

もちろん、まだ完成の域には道半ばですが、これからもたゆまぬ努力を重ねてゆくつもりです。
そして必ず、焼酎は「熟成酒」というかたちで、スコッチやコニャックを凌ぐ世界の酒として認知される日が来ると私は確信しております。

六調子酒造株式会社 代表取締役 池邉 道人

誇るべき古酒貯蔵量

古酒はただ寝かせておけば良いというものではありません。貯蔵するための技術が必要になります。夏場の高温にさらすのは論外で、油の成分が酸化して不快な油臭が付いてしまいます。また、年間を通じて温度の変化があまり無いことが重要な条件になります。外国でも昔から、たるを地下やケイブに置いたのはこのためです。

当社では断熱加工を施したたる貯蔵室に空調設備を導入し24時間体制で温度管理を行っており、スコットランドの高地に似た条件を作り出しています。

 

 

 

六調子酒造株式会社

熊本県球磨郡錦町西1013

TEL:0966-38-1130

 

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